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【書評】劇場〜もどかしいながらも切なく胸につまる小説〜

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こんにちは。当ページにアクセスしてくださり、ありがとうございます。

本の紹介記事になります。タイトルは、

 

『劇場』

 

著者:又吉 直樹(またよし なおき)さん

出版社:新潮社(しんちょうしゃ)

分類:日本文学

書評しておこうと思いましたので、深掘りしていきます。

 

【目次】

 

1.著者の紹介

著者は、「火花」を書いたピースの又吉直樹さんです。

 

「火花」では大ヒットし、史上初の快挙である芥川賞を受賞それを皮切りに、次は「劇場」を執筆しました。

 

尚、又吉直樹さんについては、前回の「火花」の書評で紹介していますので、そちらをご覧頂ければと思います。

 

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2.あらすじ

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主人公の永田という男が、何気なく声をかけた沙希という女性。

 

その時の永田の心境からして、声を「かけてしまった」という表現が正しいかもしれません。

 

その為、意味不明な言葉を使っての声がけだったので恐がられていたが、なんとか接触でき話していく内に打ち解け、交際に発展していきます。

 

永田という男は、劇団「おろか」を同じ志をもつ友人・野原と一緒に立ち上げた若い男です。

 

加えて3人の劇団員、合わせて5人で運営していました。

 

しかしある日突然、永田と野原を除く3人が劇団を辞めたいと申し出ます。

 

ただでさえ、世間に評価されていない劇団「おろか」。

 

考えすぎるところがあり、悲観的で複雑な性格の永田は、精神的に追い込まれてしまいます。

 

そんな切羽詰まった状況でも、永田とは対称的で楽観的な沙希は、永田の才能を認めてくれて、常に優しく笑いかけてくれます。

 

相反するからこそ、永田は沙希に感謝する一方で、キツく当たる部分があります。

 

そして、永田は理解できなくなった沙希を傷つけることになります。

  • 自分はどうして、大切な人の気持ちを分かってあげられなかったのか?
  • 分かっていながらも、冷たい態度をとってしまう。 

そんなもどかしさに苛立ちながら、永田は「演劇」に取り組み続けます。

 

そんな中、野原に誘われて見に行った公演。

 

後に永田の心を打ったこの公演は、永田と同い年の人間が演出していることを知り、その演出家と自分を比較してしまう。

 

さらなる葛藤、そして嫉妬も抱えながら、演劇に向かう日々を送ります。

 

そんな自分との闘いの中、やがて永田にとって沙希は、「自分の人生を変えてくれた、かけがえのない存在」だと気づき・・・。

 

夢に一生懸命だが複雑な若い男の、そして一人の大切な人を思う、もどかしいながらも胸につまる小説です。

 

3.この本の魅力・まとめ

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タイトルが「劇場」の通り、主人公の永田は劇団を主宰する演出家です。

 

そして、前作「火花」の主人公と同じく、夢を追い続ける若い男の物語です。

 

その中で出会った、沙希と言う女性。

 

沙希は前向きで且つ永田を認め、落ち込むことがあっても全力で応援しつつける姿から、大変魅力的な女性であると文章から伝わってきます。

 

しかしそれとは裏腹に、沙希に対してたまに見せてしまう冷たい態度。

 

文中で「なぜそんな事言うの?」と思ってしまう主人公のセリフもあり、この本を読んだ僕自身、もどかしい気持ちになることが何度かありました。(笑)

 

しかし、複雑で悲観的な主人公だったが、やがて『自分の人生を変えてくれた大切な人』という事に気づかされます。

 

その心理変化も繊細に描かれています。この「複雑」さはこの本を読めば、伝わるかと思います。

 

上記が描かれているので、「恋愛小説」という形で捉えることもできますが、主人公は一方で、世間に評価されていない劇団を主宰しています。

「夢追い人」です。

たくさんの観客に感動・印象を与えるにはどうしたらいいか、そしてそれを実現するにはまだまだ力が足りないと実感しつつ、日々葛藤と向き合う永田。

 

さらに自分に影響を与える、他者もいたりして。

 

この本は、主人公・永田と沙希の2人の行方を追いつつも、夢の為に主人公が自身と闘う姿を鮮明に描かれている所が魅力かと思います。

 

これも、著者の又吉直樹さん自身が経験してきたからこそ、文で情景を描けたのかも知れませんね。

 

今、若い方でこのような夢を追っている人たちはたくさんいらっしゃると思いますし、共感できるのではと感じました。

 

ですので、今諦められない夢を持ち、それを追い続ける人には読んでいただきたい一冊ですね。

 

 

拙い文章ですが、書評は以上です。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。