こんにちは。
小説「赤い砂」を読みました。
ミステリー小説です。
そして、
この本は面白いのか?
上記について第三者の意見も含め、まとめました。
※若干ネタバレもありますので、「それでも良い!」って方は是非お付き合いください。
【目次】
「赤い砂」:本の概要
著者:井岡 瞬(いおか しゅん)さん
ジャンル:ミステリー
出版社:文春文庫
「赤い砂」:あらすじ
とある研究員が、駅のホームから飛び降り自殺したことが事の始まりだった。
現場検証を担当した鑑識係は同僚の拳銃を奪い自ら撃ち抜き、研究員を轢いてしまった電車の運転士も相次いで自殺、さらには拳銃を奪われた警官までもが飛び降り自殺した。
これを偶然ではないと睨んだ、若き刑事・永瀬遼。
何か関連している・・・、警察の上官たちは鑑識係の自殺を事件性なしと片付ける中、永瀬は独自で密かに調査を続けていた。
そんな中、大手製薬会社に脅迫状が届く。
「赤い砂を償え」
この赤い砂とは一体何なのか?そして、この自殺の連鎖と関連があるのか?
現代社会であり得る話を小説化。
そして、2020年のこのご時世だからこそ皆の心に深く刺さり共感する、そんな小説ではないでしょうか。
「赤い砂」:感想
このコロナ禍のタイミングで、この内容とは。
しかも、執筆はコロナのコの字もない10年程前。
フィクションと分かっていながらも、結構現実味はあります。
ウィルスなんてどのように突然変異を起こすかわかったモンじゃあない。
この時期だから、読めた感じはあった。
当然、刑事モノとしても十分に面白かった。
研究員が電車に飛び込む自殺が発生した。
刑事の永瀬は捜査を行うも自殺と判断される。
後日電車の運転手の飛び降り自殺、鑑識刑事の死と立て続け不審な事件が起こるも事件性なしと結論付けられる。
ある日、探偵社の社長が飛び降り自殺をする。刑事の永瀬は探偵社の社長の自殺が3年前の2件の自殺と同僚の死に共通性を感じ独自に捜査を始める。
調べるうちに赤い砂の存在が・・・。
実際にあり得る話だと思い読み進めていました。ウイルスの危険性を再認識しました。
日本にはないが、海外にはあるウイルスが日本に上陸した場合のことを考えるとちょっと恐ろしいですね。
第一部 感染(2000年7月)
第二部 潜伏 (2003年7月)
第三部 発症 (2003年8月)
一人の死、間をおいて二人の死、同じ間をおいて更に一人の死。自殺か事故か事件か。親友を亡くした刑事は動かない組織の中で死の理由を探る。ウイルスとワクチン、大手製薬会社の闇の深さに寒気がする
(出典元:https://honto.jp/netstore/pd-book_30527598.html)
他の読者さんの意見も入れましたが、共感ですね。
ちなみに著者がこの執筆をされたのは10年以上前だそうでして、コロナという存在すら知られていなかった時です。
しかし2020年にコロナが蔓延し出し、著者が関係者につい、ウィルスに関する小説を以前に執筆していたことを話してしまったことから、急遽出版が決まったようですね。
実際に小説に出てくるウィルスが、今のコロナと重なる部分があるなぁと読みながら感じました。
しかし、今回の小説に出てくるウィルス。
人間がかかった場合の症状としては、
突然錯乱し、場合によっては他社を傷つけ、最後は自殺する
こういったウィルスがもし、現実世界で蔓延したらと思うと本当にゾッとしますね。
(幸いにも実際には、この小説で出てくるウィルスは存在しません。)
そしてそのウィルスを裏で隠れて利用とした大手製薬会社の存在。
小説ながらも現代社会の闇を垣間見た、そんな感じを覚えました。
もしかしたら、こういったウィルスを使った「兵器」が世界のどこかで開発されているかも知れません。
改めてゾッとします。
こういった思いが読みながら込み上げてきましたし、それが引き金となって一気に集中して読める、そんな本ではないでしょうか。
また、最後の最後までハラハラする展開だったのも凄く良かったです。
「赤い砂」:まとめ
以上、第三者を含めた「赤い砂」を読んだ感想でした。
この物語は人間と未知のウィルスとの戦いの話ではなく、誰が何の為にこのウィルスを持ち出したのか?、そして連続する不可解な自殺の真相を突き止める若き刑事の物語でした。
しかし、今のご時世もあってか、すごく共感できる物語ではないでしょうか。
そして今日も、世界中が本当にもがきながら未知のウィルスと戦っている状況です。
どうかこの現在の苦しい状況が1日でも収まることを祈っています。
以上になります、ありがとうございました。